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医療をアートする出版社

新刊情報:実践医学書

実践医学書

エキスパートに学ぶ慢性上咽頭炎の病態と治療 :
上咽頭擦過療法(EAT)と鼻内翼口蓋神経節刺激法(INSPGS)

堀田 修
田中亜矢樹

A5判 176ページ 4色 カラー図32  カラー写真109
本体5,000円(税込5,500円)
2025年 ISBN978-4-9914220-0-3


「慢性上咽頭炎」は1960年代に提唱された日本オリジナルの概念である.「慢性上咽頭炎」の治療である「上咽頭擦過療法」は1960年代,1970年代に注目を集めたが,その後は医療の表舞台から姿を消し,半世紀にわたり「知る人ぞ知る治療」として一部の耳鼻咽喉科医の中で行われてきた.
その後半世紀ぶりに「慢性上咽頭炎」と「上咽頭擦過療法」が医師のみではなく一般の国民からも徐々に注目されるようになり,特に世界的な新型コロナウイルス感染後遺症(long COVID)が問題となったことで,その治療法の一つとして「上咽頭擦過療法」の価値が見直されている.過去10年間で上咽頭擦過療法を実施する国内の医療機関は着実に増加している.この治療法の標準化などについて知見が集積されつつある.
この10年余りの間に医学の新知見が報告されたことにより,「慢性上咽頭炎がなぜ様々な症候を引き起こすのか?」,「上咽頭擦過療法にはどのようなメカニズムが内包されているか?」について科学的説明が現在では可能となった.
内視鏡の技術進歩・発展は目覚ましいものがある.経鼻内視鏡を用いることで上咽頭粘膜の観察が可能になり,また内視鏡下での上咽頭擦過療法が可能になったことが慢性上咽頭炎診療に変革をもたらすことになった.
日本オリジナルの「慢性上咽頭炎」の概念と「上咽頭擦過療法」が今後,注目され普及していくのは時代の必然である.


●内容紹介
Ⅰ.慢性上咽頭炎の病態
 1.上咽頭の解剖と免疫学的特殊性
 2.急性上咽頭炎と慢性上咽頭炎
 3.慢性上咽頭炎の悪化因子
 4.慢性上咽頭炎が関連する症候
Ⅱ.上咽頭擦過療法(EAT)
 5.上咽頭擦過療法(EAT)の作用機序
 6.上咽頭擦過療法(EAT)の実際
 7.上咽頭擦過療法(EAT)の適応疾患
   A.慢性疲労症候群・long COVID・ワクチン接種後症候群
   B.頭痛(緊張型頭痛,片頭痛,群発頭痛)
   C.IgA腎症・IgA血管炎
   D.掌蹠膿疱症などの皮膚疾患
   E.炎症性腸疾患
   F.不登校
 8.上咽頭擦過療法(EAT)のやめ時
Ⅲ.内視鏡を用いた慢性上咽頭炎の診療
 9.E-EATを始めるにあたっての必要物品
 10.慢性上咽頭炎の内視鏡所見
 11.内視鏡下上咽頭擦過療法(E-EAT)の実際
Ⅳ.鼻内翼口蓋神経節刺激法(INSPGS)の基礎理論と実技
 12.鼻内翼口蓋神経節刺激法(INSPGS)の理論とその作用機序
 13.鼻内翼口蓋神経節刺激法(INSPGS)の実技
 14.鼻内翼口蓋神経節刺激法(INSPGS)の臨床効果
おわりに
索引